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2025/04/04 10:20 |
こっそり
小説を置いていきます。

今回は、飛鳥組の小説で、6月から7月前半のお話です。


太妹なのか妹太なのか謎だけど多分太妹です。
…何だか私は、どちらかが心配してるような小説しか書けなくなっているような気が…(--;


暑い梅雨。
こんな季節はいつも以上に食欲がなくなる。大好きなカレーだって、あんまり食べたくない。
「太子?」
「んー…なんだ?」
「どうかしましたか?」
「いや…別に?」
今は部屋で大の字に寝ている。怠くてクラクラして頭が痛い。別に栄養不足と言うことではないだろうが、やはりこの季節は嫌だ。
「…本当ですか?」
妹子が私に跨がり、すぐ近くまで顔を近付けて私の目を覗き込む。
「なんでだ?」
「いえ、何だかいつもより怠そうに見えたので」
「いつもよりって…おまっ…」
まぁ、確かにいつもより怠いけどさ…そんな、いつも怠そうに見えるの?
「熱は…ないようですね」
妹子は額と額をくっつけた。熱を測っているのだろうが当然の事ながら顔が近い。
そのまま、妹子を引き寄せて口づけすると「蹴りますよ」と顔を少々赤くしながら言われたがいつものように鉄拳は飛んで来ない。まぁ、避けるような気力もなかったから、良かったけど。
「太子」
「ん?」
「…体調が優れないのでしたら、言ってくださらないと分かりません」
「妹子…?」
「…これでも、心配しているんです」
「…」
「ちゃんと言ってください」
心配をかけないように言わなくても逆に心配をかけてしまうらしい。
だからといって、そのままに口に出すのは何だか嫌だった。
「…今の…この時期は嫌いなんだ」
「嫌い?」
「暑くてジメッとしててさ…雨が降っているのに暑いのは嫌なんだよ」
「…それだけですか?」
「……それだけ」
「嘘つけ」
妹子はため息混じりに私の言葉を否定した。聞いてくるくせにやっぱり、最初から分かってるんだ。
「…こんなに毎日会っていれば、あんたの体調くらい分かりますよ」
「じゃあ、何で聞くんだよ…」
「あんたが言いますか」
妹子は「散々、人のことは分かっていても聞く、くせに」なんて言いながら、少し顔を赤くして視線をそらした。
「とにかく、ちゃんと言って下さい。…僕は、そんなに信用されてないんですか?」
信用してないことなど絶対にないことだが、妹子の表情が少し悲しそうだった。だが、悲しそうというよりかは不安そうと言ったほうが合っているかも知れない。
「…ちょっと、頭が痛かっただけだ」
「…今は?」
「大丈夫だ」
「…言えよ。早く…」
「妹子?」
「…心配するでしょう?具合悪くて、無理してるんじゃないかって」
『ごつっ』とおでこをぶつけてきた。至近距離でバッチリと目が合う。妹子の目は髪と同じで、少し茶色っぽい。
ゆっくりと妹子が目を閉じた。そして、離れる。
少し、私も体を起こすと正座している妹子が見えた。手を差し出されて、掴むとそのまま引き寄せられるように起こされた。そして、優しく抱き寄せられる。
「…全く…無理しないでくださいよ」
「…無理してない」
「いつもし過ぎているんです」
「そうか…?」
「そうです」
抱きしめられて安心した。無理をしている気などないが、何となく余計な力が抜けて楽になる。
「妹子」
「なんです?」
「『ありがとう』」
そばに居てくれる君へ
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2010/07/30 12:25 | Comments(0) | TrackBack() | 飛鳥小説

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